従業員50名以上の企業が産業医を選任しないとどうなる?【罰則・リスクを徹底解説】
産業医の選任は「やっておいた方が良いこと」ではなく、従業員50名以上の企業に課せられた法的義務です。この記事では、産業医を選任しなかった場合にどのようなリスクや罰則があるのか、実例を交えてわかりやすく解説します。
目次
法律で定められた「50名ルール」とは?
労働安全衛生法第13条により、常時使用する労働者が50名以上の事業場では、医師(産業医)を選任しなければなりません。これは企業規模にかかわらず、拠点単位での人数で判断されます。
産業医を選任しなかった企業の実例
あるIT企業では、支社が50人を超えていたにもかかわらず、産業医を未選任のまま2年間放置。社員の過労による体調不良が報道され、厚生労働省から指導および企業名公表という厳しい対応を受けました。
行政指導・勧告・罰則の内容
- 是正勧告: 労働基準監督署から改善指導を受ける
- 企業名の公表: 悪質と判断された場合は厚労省のサイト等で公表
- 罰則: 安全衛生法違反として 50万円以下の罰金 の対象になる可能性も
メンタル不調による訴訟リスク
過労や人間関係によるメンタル不調が原因での労災認定が増加しています。産業医がいないことで、社内対応の不備が訴訟につながることもあり、数百万円〜数千万円単位の損害賠償リスクを負うケースも。
コンプライアンス遵守が企業価値を守る
法令を遵守し、適切に産業医を選任することは、従業員からの信頼確保とともに、企業ブランディング・採用力の向上にもつながります。健康経営銘柄や優良法人認定などにも有利になります。